コラム

2021.02.03

双極性障害との付き合い方

双極性障害の方との付き合い方

双極性障害(躁うつ病)は再発を繰り返す病気であり、ほかの高血圧や糖尿病などと同様に慢性疾患と考えられています。そのため長期的な治療が必要であり、それには患者様だけでなくご家族や周囲の方にも病気に関して知っていただくことが重要になってきます。

躁うつ病はそう状態とうつ状態を繰り返す病気ですが知っておいてほしいことが何点かあります。

1うつ状態で発症する人もいるため躁うつ病と最初は分からないことが多い

双極性障害の約3分の2はうつ状態から発症すると言われています。そのため精神科を受診しうつ病と診断され治療を開始される方もいます。 うつ状態が続く内にそう状態が出現した段階で双極性障害と診断が変更される方も多いのと、難治性のうつ病と診断されている方の中に双極性障害の方も含まれていうというデータもあります。

2双極性障害の期間の3~5割はうつ状態であるということ

双極性障害の患者様の病気の間の期間の3~5割がうつ状態と言われています。 家族や周囲からすると、病状が分かりやすく周囲とトラブルになることも多いため躁状態が困ることの方が多いですが、患者としては病気の期間の多くを占めるうつ状態をコントロールすることが重要になってきます。

3病状の悪化を繰り返すたびに症状の出現する感覚が短くなっていく

病状の悪化を繰り返すたびに症状の出現する感覚が短くなっていく

躁うつ病の周囲の人の対応

双極性障害は躁状態とうつ状態と病気の状態に合わせて全く異なった対応が必要になってくるためそれを知っておくことが重要になってきます。

躁状態の対応

1受診が難しい時

躁状態の時は患者本人は気分が良く、自分が病気であるという気持ちがないため通院することが嫌がり定期的な受診が出来ないこともあります。 その際は無理に受診させるよりは、周囲の人の根気強い説得が必要です。本人が信頼している人から説得してもらうと意外とすんなりと受け入れられることもあります。

2中立的に接することを心がける

患者本人は気分が高揚し、何でもできる気分になり色々な発言や行動があるかもしれませんが意見に反論すると怒りだしたり、逆に同調するとさらにその意見を助長することになるためあくまでも中立的に接することが重要です。

3ここまでは許容できるが、これ以上は無理であるという限界設定を決める

本人が希望することと家族が許容できる範囲を前もって話し合いで決めておくことが重要です。双極性障害の患者様は律儀で規則を守る人が多いので一度決めた内容を何度も確認し行動はエスカレートしないようにしていきます。 例えばお小遣いの金額や、電話の回数、外出の回数などを具体的に決めていきましょう。
それを超えて家族や他人に迷惑をかけてしまう、暴力的になってしまうなど家庭で対応することが困難な場合は入院治療も選択肢に入ってくるので主治医に相談するようにしましょう。
そう状態のまま社会と接することは本人にとってもメリットがないばかりか、デメリットが多いと考えられます。 患者の言葉に耳を傾けてあげましょう

うつ状態の対応

1受診が難しい時

悲観的な内容に対してすぐに否定したくなったり、アドバイスをしたくなったりすることがあるかもしれませんがまずは相手の気持ちを十分に吐き出してしまうためにしっかりと聞き役に回ってあげましょう。あまり話したがらない場合はそばにいてあげるだけでも十分です。

2なまけではなく病気であることを認め、休養をとれるようにする

うつ状態は病気の症状をして出現してきます。最初はただ怠けているだけに見えてしまい動揺するかもしれませんが、うつ状態の治療には心身の休養が必要です。
周囲の方は規則正しい生活を送れるように手伝ってあげましょう。つまり健康的な食事と規則正しい生活リズムと睡眠を取り、服薬が確実に出来るように支援してあげてください。

3症状は波を描きながら良くなっていくため症状の波に一喜一憂しないこと

うつ状態が良くなっていくときには波を描きながら回復してきます、症状が良かったり悪かったと言って一喜一憂していると本人も周りも疲れてしまいます。せかさずに我慢強く見守ることが重要です。

 再発を防ぐポイント 

1薬物療法を中心とした治療を継続し再発の兆候があれば早めに手を打つこと

炭酸リチウムやバルプロ酸ナトリウムなどの気分安定薬を中心とした治療を継続し症状をコントロールすること。
またうつ状態も躁状態も悪化の前にはちょっとしたサイン(睡眠がとれなくなる、イライラすることが増えるなど)があるためその再発の兆候を確認しておき早めに環境調整や薬剤調整など対処していくことが重要になってきます。

2規則正しい睡眠・生活のリズム

高血圧の治療などと同じで気分の波を安定させるためには睡眠と生活パターンを安定化させることが重要と言われています。
また生活の中でのストレスも再発に関与するのでストレスを貯めない、うまく発散することも再発防止に役立ちます。