コラム

2021.03.28

ストレスコーピングとは?ストレスにうまく対処して生活しやすくするために

こんにちは大阪市城東区 鴫野駅から1分「けいクリニック」院長、精神科専門医の山下圭一です 皆さんはストレスコーピングという言葉をご存じでしょうか? 現在はストレス社会と言われており日々色々なストレスに晒され心や身体にも色々な影響が生じています。 「ストレスコーピング」とはストレスへうまく対処しようとすることを意味します。 本日のコラムではストレスコーピングに関して説明します。

具体的なやり方を学ぶことでストレスの基への対処に上手になり、心と身体の負担を減らし日々の生活を生きやすくしていきましょう。

目次

1.ストレスコーピングとは

ストレスコーピング理論はアメリカの心理学者ラザルスによって提唱された理論になります。ストレスコーピング(stress coping)直訳すると「ストレス対処法」で ストレスの基(ストレッサー)にうまく対処しようとすることになります。 ストレスの構成要因に関してもここでまとめておきます。

1.ストレッサー

ストレスの原因となるもので原因は様々です。

2.認知

ストレスに対してどのようなとらえ方をするかは人それぞれ違ってきます。

3.ストレス反応

ストレスに対し対応しきれなくなると体が様々な症状を起こします。 強いストレスを受け続けることは心身にとって様々な悪影響があるので、ストレスコーピングを行ってうまくストレスに対処することが必要になってきます。 ストレスコーピングを行う結果としてストレスによる心身の反応を起こしくくすることが可能になります。 またうつ病や統合失調症など精神疾患の発症には生まれ持った遺伝的な要因に加え、ストレスなどの外的な要因が影響します。 そのためストレスへの耐性や対処法を身につけておくことは予防にもつながります。 また高血圧や糖尿病などの身体疾患ともストレスは密接にかかわってくるため健康づくりのために上手なストレスとの付き合い方は重要と言ってよいでしょう。

2.ストレスコーピングの種類

ストレスコーピングには色々な種類があるので説明していきます。 ストレスコーピングは①問題焦点コーピングと②情動焦点コーピング③ストレス解消型コーピングという大きく3つの型に分けられます。

①問題焦点コーピング

ストレッサーそのものに働きかけて、それ自体を変化させて解決を図ろうとする方法

②情動焦点コーピング

ストレッサーそのものに働きかけるのではなく、それに対する考え方や感じ方を変えようとする方法

③ストレス解消型コーピング

ストレッサーを感じたときではなく、感じてしまった後に、ストレスを身体の外へ追い出したり、発散させたりする方法です。 では以下に3つの型に関してさらに詳しくみていきましょう。

①問題焦点コーピング

ストレッサーそのものに働きかけて、それ自体を変化させて解決を図ろうとする方法で 問題焦点型コーピングと社会支援検索型コーピングなどが挙げられます。 a.問題焦点型コーピング

問題焦点型コーピングは問題となっているストレッサーに対して直接働きかける方法になります。
例えばストレスを遠ざける、ストレスから離れるなどの方法です。
ただしストレスそのものに働きかけるので実行が難しいということが難点です。
〇具体例
例)仕事で業務量が多すぎてストレスを感じて来院した患者さんに対して問題焦点型コーピングをしてもらう場合
ストレッサーは仕事なのでそれに対して
1.仕事量を調整してもらう
2.仕事のやり方を見直して業務量の軽減を図る
3.一旦休職して仕事から離れるなど回避する
等の対応をすることが問題焦点型のコーピングになってきます

例)いじめがあり不登校になった患者さんに対して問題焦点型コーピングをしてもらう場合
いじめがストレッサーなので
1.いじめを担任や学校に相談して解決する。
2.一旦学校を休んでいじめと距離を取る。
等の対応をすることが問題焦点型のコーピングになってきます。

上記の様にストレッサーに対して直接働きかけるようなアプローチが問題焦点型コーピングになります。
社会的支援検索型コーピング
また問題に直面した時に周囲に助けを求める方法として社会的支援検索型コーピングというものもあり、問題焦点型コーピングの一種です。
問題を一人で抱え込まないようにすることで、ストレスを軽減します。
例えば上記の仕事量が多い場合などは上司や同僚、家族などに相談することが挙げられます。
またいじめの例の場合には先生や友人、両親に相談することがこのコーピングの方法となってきます。

②情動焦点コーピング

ストレッサーそのものに働きかけるのではなく、それに対する考え方や感じ方を変えようとする方法です。
これには情動処理型コーピングや認知再評価型コーピングが挙げられます。
a.情動処理型コーピング
情動処理型コーピングはストレッサーによって生じた悲しみや不安、怒りなどの感情を誰かに話すことなどで気持ちの整理や発散をする方法です。
ストレッサー自体を変化させることが難しい場合はそれを家族や友人、職場の同僚に話すことでストレッサーによって生じた不快な感情を処理していきます。自分の中にある感情を言語化することで整理もできますし、話すことによって発散することが期待できます。
また近しい人間に話すのを躊躇する場合などはカウンセリングや診察場面で感情を出すという手段も選択肢に入ってくるでしょう。
ストレスを感じている際に整理ができておらず何が原因か自分でも分からない場合があります。大人でもそういった方はおられますが、子どもの場合は自身の感情や気持ちを整理することが難しいことが多く誰かに話すことで感情の処理が可能になることはよくあることです。 b.認知的再評価型コーピング

認知再評価型コーピングはストレッサーに対する「認知」すなわち感じ方や捉え方を変化させることでストレスを軽減させる方法です。
落ち込んでいる時や余裕がない時はついつい些細なことでもネガティブに感じてしまいがちです。そういった時にはその出来事が起こったときに自分の頭に浮かんだ考えが妥当かどうか考えてみることで自分の認知のパターンに気付いていくことが可能になります。こういった時に次につながる現実的な別の考え方を導きさせれば気持ちが楽になってきます。
「他の人だったら、どんなアドバイスをしてくれるだろう」「もし元気な時の自分だったらどのように考えるだろう」など第3者の視点に立って考えてみるのもよいかもしれません。

〇具体例 仕事でミスをしてしまい上司から指摘を受けた際のことを例に挙げて考えてみましょう。
ミスをした際「上司からダメな部下だと思われた」「いつもミスばかりしてしまう」など不安な気持ちや悲しみの気持ちが出てきます。
ここでこの考えが妥当かどうか考えてみます。
「上司からダメな部下だと思われた」という考えは自分が感じたことなので、それが事実かどうかは分かりません。
また上司がミスを指摘してくれたおかげでミスがカバーできたことは良かったことでしょう。
また「いつもミスばかりしてしまう」という考えですが、本当にミスばかりしているのでしょうか?人間誰でもミスはあるものです。
一度ミスをすると次回からは同じようなミスをしないように気を付けれるものです。
次回から同じようなミスをしないようにすれば良いと考えられれば少し前向きになれるのではないでしょうか
実際にはこんなに簡単にはいかないかもしれませんが、こういった考え方が出来るかもしれないというのも事実です。
一人で考えるのが難しければ他人に相談してみても良いですし、専門の医師や心理士に相談するのもひとつの方法です。

③ストレス解消型コーピング

ストレッサーを感じたときではなく、感じてしまった後に、ストレスを身体の外へ追い出したり、発散させたりする方法です。
気晴らし型コーピングとは買い物をしたり美味しいものを食べるなど、自分の好きなことを行って気分転嫁を図ることでストレス解消を行う方法です。
これは普段私たちが起こっているストレス発散と呼ばれるものと同じような方法です。 これは比較的簡単に気分がリセットでき、ストレスを軽減する効果がありますが、ストレスの原因を根本的に解決することはできません。

3.ストレスコーピングを行う上で重要なこと

1.現在の状態を把握する

自身がおかれている状況を整理してそれを把握していくことは非常に重要になってきます。
非常に高いストレスに置かれた状況で人は正常な判断をすることが難しくなってきます。
実際は大きな問題でないことを必要以上に大きな問題ととらえてしまったり、逆に重要なことに対して対処できていないことがよくあります。
そのため現在の状態をしっかりと把握するために家族や友人、職場の同僚、上司などに相談し客観的な意見を聞いてみることが重要になってきます。
またそうやって問題を相談する中で自分自身の中での問題の整理にもつながっていきます。また身近な人に相談しにくい内容などに関しては私たち精神科医や臨床心理士に相談するのも1つの方法になります。より客観的な視点で問題の把握や、状態を理解するのに力になれるかと思います。

2.主体的に問題を解決していくという意思を持つ<

漠然と問題を向き合っているだけでは問題を解決していくことが難しくなることがあります。
自分自身で主体性を持って問題を解決していくのだという意思を持った上でストレスコーピングを行っていくという姿勢が問題解決に重要になってきます。 
またストレスコーピングを行っていくときにも今自分はどの方法を使ってストレスコーピングを行っているか意識することが大切です。
自分自身がしっかりと状況を把握し、自覚的にストレス対策を行うからこそストレスコーピングに効果が生まれるという事を覚えておいてください。

3.ストレスコーピングの種類を沢山もっておく

ストレスコーピングの種類は多ければ多いに越したことはありません。
ストレスコーピングの種類が多いと色々なストレス場面でその場に応じた対応を取ることが可能となってきます。
まず上記に示したストレスコーピングの中から実践しやすいものから試してみて、自分に合った方法を見つけていくといいでしょう。
また一度実践した時は効果があったかどうかを覚えておき、成功した場合は成功例として自分の中に蓄積していけるようにしましょう。
そういった成功体験を繰り返すことでストレスコーピングをすること自体が楽しくなり良い循環が生まれてきます。
ただし最初はうまくやろうと思わず色んな方法を試してみることも重要です。
数をこなしていくうちに段々と自分に合った方法や、この時はこういうパータンが取り組みやすいなど自分なりのストレスコーピングの型が出来てきます。
最初のうちは質より量をこなしてあげて意識的にストレスコーピングを行っていこうというくらいの姿勢が良いでしょう。

4.まとめ

今日はストレスコーピングに関してまとめていきました。
ストレスコーピングには色々な型があり、生活の中で自然と実践しているものもあれば、意識しないとなかなか難しいものまであるかと思います。
またストレスコーピングを実践するにはストレッサーを把握した上で自分の状態をしっかり知り、主体性をもって意識的に問題に対応していくことが重要になってきます。
現代はストレス社会で日常生活の中には人や物、環境など色々な種類のストレッサーがあります。
それに対してストレスを感じてしまうのはめずらしいことではなく、自然な反応です。しかしながらストレスとの付き合いを知らないまま過ごしていると心や身体に色々な悪影響が出るためしっかりと対応法を知ることが大切です。
多くの精神疾患もストレスが影響してきます、診察の中でもストレッサーとのかかわり方に関して相談されることは少なくありません。
上記のストレスコーピングの方法に関して診察の中で相談していくことも可能です。
ストレスのメカニズムを理解しストレスコーピングを実践していくことで心と身体の不調を予防していけるようにしましょう。

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