統合失調症

統合失調症とは?

統合失調症幻覚、妄想などといった普段ないものが出現したり(陽性症状)、意欲の低下や引きこもりなどの以前出来ていたことが出来なくなる(陰性症状)が出現する精神疾患です。思春期から40代にかけて発症リスクが高まると言われています。人口100人あたりで1人が発症すると言われており、比較的身近な病気でもあります。
以前までは「精神分裂病」という病名でしたが、2002年より現在の「統合失調症」に変更されました。

統合失調症の原因

統合失調症の原因は、未だはっきりと解明されていません。ただ、脳内の神経伝達物質のバランスが乱れること、強いストレスや元々の素因(ストレスへの脆弱性)などが、発症と何らかの関係があるのではないかと言われています。
遺伝を心配される方もおられますが、統合失調症が遺伝するのではなく、統合失調症になりやすい体質が遺伝するということを理解しておく必要があります。

 統合失調症の症状

症状は、「陽性症状」「陰性症状」「認知機能障害」に大別されます。

陽性症状

会話に一貫性がなくなる
  • テレビ、テレパシーなどで自分の悪口がきこえる
  • 見えないはずのものが見える
  • ずっと監視されているような気がする
  • 会話に一貫性がなくなる(自分でも何を話しているのか分からない)
  • 会話の途中で急に言葉が出なくなる
  • 人に騙されていると思い込む
  • 興奮して大声で叫ぶ
  • 意味のない運動を繰り返す
  • 演技のような挨拶・身振りを繰り返す

陰性症状

  • 感情、表情が乏しくなる
  • 仕事、勉強、日常生活への意欲の減退
  • コミュニケーションの困難
  • 1日中ぼーっとしている

認知機能障害

  • 記憶力の低下
  • 集中力、注意力の低下
  • 物事の段取りができない
  • 判断力の低下

統合失調症の診断

統合失調症患者様ご本人、ご家族への問診を行い、いつから症状が現れたか、どのような症状が現れたか、今日までどのように経過してきたか、日常生活においてどのような支障があるか、といったことをお伺いします。
その上で、最新の診断基準(DSM-5:「精神疾患の診断・統計マニュアル 第5版」)に基づいて診断を下します。

統合失調症の治療法、処方薬

統合失調症 統合失調症の急性期には、抗精神病薬によるお薬による治療が基本となります。その他、抗不安薬、抗うつ薬、睡眠導入剤などを併用することもあります。
お薬による治療に加えて、精神科リハビリテーションに取り組むことが重要になります。デイケアや作業療法、生活技能訓練、心理教育などを、それぞれの専門家と連携しながら進めていきます。

総合失調症Q&A

総合失調症になりやすい人の特徴は?

統合失調症の原因ははっきりとはわかっていませんが、様々な要素が絡み合って発症すると言われています。ストレス脆弱性モデルという「元々の病気になりやすい素因(遺伝、脳のトラブル、気質など)にストレス(環境変化、ライフイベント、病気など)がかかることで発症する」という考え方があります。

自分が総合失調症ではないかと疑っているのですが、このまま治療しないと症状がひどくなるのでしょうか?

統合失調症には幻覚や妄想など普段ないものが出現する「陽性症状」とやる気がなくなったり、引きこもりがちになったり普段あるものがなくなる「陰性症状」、また物忘れや集中力の低下などの「認知機能障害」などの症状があります。またこれらの症状が出現する前の時期に「誰かに見られているような気がする」「声が聴こえてくるような気がする」など弱い精神症状が出現する前駆期と言われる時期があります。この前駆期の段階で治療を受けることで発症を予防したり重症化を防ぐことが可能です。 上記のような症状がある場合は一度治療に関してご相談いただければと思います。

薬を飲み始めてから手足が震えることがあるのですが薬をやめた方がいいのでしょうか?

統合失調症の治療には抗精神病薬と呼ばれる薬が使われます。抗精神病薬の出現しやすい副作用として錐体外路症状と呼ばれるものがあります。その中に手足の震えや、体のこわばり、涎が出る、足がムズムズしてじっとしていられないなどの症状があります。
手足の震えは薬の副作用のおそれがあるため薬の量を減らしたり、別の薬に変更するなど主治医の先生と相談しましょう。自己判断で薬を中断してしまうと、薬を中断することで出現する副作用や、病気の症状が悪化することがあるため必ず主治医の先生と相談してください。

薬をやめてしまうと再発するのでしょうか?

統合失調症は「勝手に服薬を中断すると2年以内に80%以上が再発する」とされており、極めて再発しやすい病気であり治療を継続することが重要であると言われています。
また再発を繰り返すと症状が悪く、治りにくくなるとも言われています。
長期間治療を継続することに不安がある場合は一度どういった点が不安か、どのように治療を進めていくかも含めて一度相談いただけばと思います。

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